フィリピンのための祈り


生徒と先生たち(2000年)


◆ハシエンダ教育支援会の活動記録◆

(1996年5月〜2005年3月)

 貧富の差が激しいフィリピンの中でも、特に貧しいネグロス島にあるハシエンダ(大農園)の幼稚園・小学校を支援するために、本会は、1996年5月に発足しました。

 自分の土地を持たず、砂糖キビだけを作っている大農園で働く労働者たちは、貧しく、生活は単調で、文化を築き、生活を改善して行く希望も、可能性も閉ざされています。こどもたちは学校にも行かず、単純労働だけの生活に入っていくのです。

 ネグロス島の北西部ヴィクトリアスのルイサ・ハシエンダで、改革派教会牧師でもあるナルシソ・V・ポサダス校長は、幼稚園と小学校「フェイス・クリスチャン・アカデミー・ヴィクトリアス(FCAV)」を、経営していました。平均して幼稚園50人、小学校120人ほどの生徒がおりました。先生は校長のほかに5人の教師がいました。校舎は農園主の納屋を使っていました。初め農園主が出資していましたが、80年代の砂糖暴落で支援出来なくなり、94年6月廃校の危機に追い込まれてしまいました。フィリピンには公立学校もありますが、金持ちのこどもは私立学校に行きます。そして極貧しいこどもたちの教育をするのも私立学校、特に教会立の学校です。ネグロス島を中心にプロテスタント学校の団体に加盟している学校が56もあります。国の援助はありません。

 94年以来、日本キリスト改革派教会の大会執事活動委員会が、FCAVに毎年援助をしてきました。年35万円でした。しかし、これは必要額の三分の一です。

 96年12月、本会は、この学校の資金を得るバス事業のためにミニバス一台を寄付しました。代金は170万円でした。本会は、この代金の借入金返済のために募金をしました。ポサダス校長は路線バス事業に精出して、その収入を教師のサラリーの一部にしました。さらに、ポサダス校長は私財を投げ打ち、借金をしてやりくりしてきました。しかし、エルニーニョ、台風、砂糖キビ産業の低迷などにより地域全体が疲弊している状況の中で学校経営は危機に陥っていきました。
 2002年1月、本会は、99万余円を援助し、維持費がかかるようになった先のバスを売った代金と合わせて、二台のミニバスを購入しました。二台のバスは、よく働いて、学校経営を助けました。
 国内の多くの方々が、趣旨をご理解下さり、寄付にご協力下さいました。その結果、2005年3月までの募金によって、バス代金のための借入金を完済することが出来ました。

 フィリピン・ネグロス島の、フェイス・クリスチャン・アカデミー・ヴィクトリアスは、2004年3月14日、第18回卒業式をもって、小学部閉鎖、生徒は公立校に移りました。幼稚部は、その後も継続しています。しかし、わたしたちの援助は、一応ここまでで終わりにすることにしました。改革派教会の執事活動委員会の援助も終了しました。

 二台のバスは、教会の伝道用に、特に山地の伝道のために大いに役立つでしょう。

援助活動の成果

 多くのこどもたちが、小学部で学び、次第に高等部に進むこどもも増えていきました。それに伴い、親たちの教育意識が育ってきたことが大きな成果だと思います。その子らの中から、将来、ハシエンダの教育者が生まれるかもしれません。ネグロス島の改革派教会について知り、日本の方々にも多くのことをお伝え出来たことも収穫でした。今後は、教会間の協力、神学校との交流などが生まれてきたらよいと思います。

 

◆発展途上国への援助の体験から学んだこと◆

  1. 現地訪問の費用も用意しなければならないこと。

  2. 日本人に読んでいただくための現地報告は、日本人の手で書かれなければ良い報告にならないこと。

  3. 極度に貧しい現地の方々の生活を、金銭がゆがめてしまうことがあるので、よほど慎重に、十分な調査、信頼関係、責任関係の上で、行わなければならないこと。

  4. HESOの援助活動は、長田教師と、ポサダス牧師との信頼関係が強く、また、双方が、それぞれの教会において信頼されている人物であることを相互に確認し合った上で成り立った協力関係であった。組織と組織との関係であっても、継続的な責任者が必要であること。      


    フィリピン改革派教会について

     フィリピン改革派教会が、ネグロス島にたくさんあり、神学校まであるのは、CRC(北米キリスト改革派教会)からの最初の宣教師がネグロス島出身者であったからです。その宣教師夫妻がネグロス島に遣わされたのは、1961年でした。現在の教会統計は下記の通りです。神学校は、ネグロスとマニラにあります。信徒数の統計は分かりません。CRCの報告には、集会出席者が5千人と、大まかな数字が出ています。
     この統計からみると、伝道所が多く、また、未任職の伝道者が多いことが分かります。信徒伝道者、奉仕者のような方が含まれているのかもしれません。レイリーダー、奉仕者(執事)の養成にも熱心です。この他に、ミンダナオ島ほかの島などへの宣教師が数人います。CRCの宣教師は、5人で、教会成長、神学教育、奉仕者養成などの仕事をしています。
     これらの教会と、働き人のためにお祈り下さい。 今後も、何らかの方法で、フィリピンの教会について、皆様にお知らせする仲介をしたいと思っております。

    ◆フィリピン改革派教会 統計◆

     中 会   教 会  伝道所  教師(牧師) 伝道師
    マニラ     15   38    17    29      
    南ルソン    10    8     7    15
    パナイ     10    5     7     7
    ネグロス北    6    8     7     3
    ネグロス南    4    4     7     2
     合 計    45   63    45    56


二台のミニバス


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